宗像市葉山クリニックの撫中です。3月から4月にかけての季節を「木の芽時(このめどき)」と言うのをご存知でしょうか。
実はこの時期は、昔から「精神的に一番バランスを崩しやすい」と言われているのです。理由の大まかな枠組みは「変化」です。詳細には、気候変化、寒暖差、転勤、入学、卒業、就職、などこの時期生活面でも変化が起きます。人間は、それらの変化に対応するため、自律神経系がフル稼働します。しかし、対応の遅れや対応しきれない場合、精神、身体に不調をきたします。疲れやすい、だるい、やる気が起きない、めまい、動悸、息苦しいなど不定愁訴と言われる多彩な症状を自覚します。多くの方はからだの不調ということで医療機関を訪れ検査します。そして多くのかたが検査上で異常がみとめられないと伝えられます。「なぜ」の疑問に答えがないまま、不安は持続します。答えを求め、次の医療機関を受診します。結果は、異常なし。つまり精神的バランスの乱れからくる症状について臓器各論で検査をしても求める結果は出ないということです。木の芽時の知識があれば、頑張りすぎず、自身のできることだけ実施するようにする。環境になれるまでは誰でも同じなんだ、と考えることです。それでも不安を抱えきれないときは「心の相談」をするようにしましょう。木の芽時は決して悪い季節ではないです。希望に満ちて、これからへの期待でワクワクした楽しい時期として過ごしてください。