宗像市葉山クリニックの撫中です。イワシの群れで動く様はきれいと感じていました。しかし、大きな群れの両端にいるイワシはどのように意思伝達し、同じ動きをするのか不思議でした。この現象はイワシの本能に組み込まれた単純な3つのルールで再現できることがわかってきたようです。。
(1)周囲の仲間と適度な距離を保つ
(2)進む方向、スピードを合わせる
(3)仲間がたくさんいる方向へ向かう
さらに、動ける空間の広さにより、漂うだけから、回遊、直線的な動きなどが決まってくるようです。人間がマスゲームなどするときには、予めプログラムされた動きを個々が入力し、さらにリーダーが号令をかけ、練習を重ねて、統制ある動きを完成します。しかし、イワシにはリーダーもおらず、練習もせず、ぶっつけ本番ですぐ完成された群れとなります。逆に意思伝達の手段が単純で、人間のように個々の大脳が発達した場合、個々の判断が統制を乱すことになるのかもしれません。統制をとるための意思が一つであれば、集団が形成されやすく、大きな力となることは必然です。政治、宗教などそうやって集団となり、一つの方向に向かって進むことで幸福を実現しようとしてきました。時には、カリスマ性のあるリーダーの意思に引っ張られ、あらぬ方向へ行くことも歴史上、見られました。人間はイワシと違い、個々が判断するため、完全な群れは長期的には困難です。でもそれがリスクの回避になっているのでしょう。考えることをしなくなった人間(指示待ち)は来世イワシになるのではないでしょうか?